苦悩の・・数ヶ月ついに・・待望の[マシニングセンタ]が完成しました !

ヽ(^。^)ノ

下記は製作途中で発表いたしましたATC基本機能の動画です。
YouTube で5☆をもらっちゃいました ヽ(^。^)ノ



【 完成切削試験 】

そんじゃ〜 実際に【完成切削試験】をしてみましょうか。

上手く動いて・・・ちゃんと切削ができるかなぁ〜  (^_^;)

今回の【特集】の集大成として一連の作業と操作を順をおってご説明して参りましょう。

[切削形状の決定とツールパスの作成]

切削する形状を決めましょう。

今回は試験切削として左図のような物を切削してみましょう。

何といった特殊な物では無く"クランク"の"アーム"のような物をイメージして下さい。

イメージだけでは形にはなりませんので詳細寸法を決定して"平面図"と"側面図"をCADで書きましょう。

平面図については、後にこれを元にツールパスを製作しますのでキチットした寸法と形状で1/1スケールで書いておきましょう。

側面図については別に無くても良いのですが加工形状が複雑になってくると頭が混乱しますので左図のように厚さや刃物のZ位置等を分り易く作図しておくと[NCVC]などで切削条件を設定する時に楽になりますね。

左図の例では
@Φ10mmのエンドミルで面ハネ
AΦ4.5mmのエンドミルで外形切削
BΦ4.5mmのエンドミルで段付加工
CΦ4.5mmのエンドミルでポケット加工
DΦ0.5mmのエンドミルで文字切削

を予定しています・が・でも・・AとBもΦ10mmのエンドミルにしちゃおうか・・・・思案中・・・切削素材により後で決定しましょう。

いずれにせよ、いわゆる3種類の刃物を使いますのでツール交換は最低2回必要と言う事になりますね。


形状作図が終わりましたら、ツールパスを[複線機能]を使い各レイヤーに分けて作図しましょう。
これでツールパスは完成ですね。
[ Gコードの生成 ]

CAD(JWW-CAD)でツールパスが完成しましたら、いつもの[NCVC]でGコードを生成しましょう。
次にテキストモードで開いて前述しました[ツール交換命令(M6 T#)]をツール交換が必要なレイヤーの手前に追記しましょう。

[ツールオフセット(刃物長補正)の測定と設定]
CADの作図とNCVCでの切削条件の設定で使う刃物の種類等が決定しましたので


それでは今回使用する刃物をツールホルダーにセットして刃物の突き出し量を測定しておきましょう。

今回使用するのは3本・・T1〜T3です。

左上画像のように、ホルダーをセットする時に間違わないようにホルダー自体にツール番号を掘り込みましょう。

このときに[ツール1番=T1]を基準にしますのでT1の刃先に測定子を合わせて一旦"ゼロセット"を行い後はT2〜T3とT1に対す刃先の突き出し量の増減を測定します。

いわゆる[ツールオフセット]の測定ですね。


実際の測定は左下の画像のように今回作りました[マイクロメータ]改め[刃長測定器(?)]で測定しましょう。


ベースの穴にテーパ部を落とし入れるようにして逆さまにセットします。

径の大きなエンドミル等はツールを若干前後に移動させて刃の一番高い分部(一般的には"ピン角")が測定子の中心に来るようにして測定しましょう。
それでは、まず上述のように[T1]を乗せて

測定子を刃先に慎重に合わせて

  
[ZERO/ABS]のボタンをおして"ゼロセット"です
次に[T2]とツールを交換して測定


   
[T2] は -8.763mm   ですね。
今度は[T3]とツールを交換して測定


   
[T3] は -19.683mm   ですね。
それではMach2を起動させ上記の測定結果を下図のように[Tool Table]に設定(入力)しましょう。
刃物の突き出し量(ツールオフセット)を計測してツールテーブルへの設定が終わりましたら各ツールをツールマガジンにセットしましょう。

あたりまえの事ですが、この時にセットする場所を間違わないように・・・・・・(^_^;)

一旦セットしましたがT1(1番ツール)はスタートなので手動でセットしましょうか。
[ 切削準備 ]

それでは実機のテーブルにワークをセットしましょう。
今回は試験切削(デモ)ですのでワークは":ケミカルウッド"を使用します。

本来、私はケミカルウッドは あまり使用しないのですが今回の試験切削においてはビデオ撮影の時間を短縮する為に切り込みを深くして高速で切削しますので負荷の少ない素材にしました。


[ケミカルウッド壱番店さん]からサンプルを戴いて使ってみました。



ワークセット後は自作の【クロスライン・レーザー照準器】で芯出しを行います。


これは便利、レーザーの照準をワークのケガキ線に合わせるようにコントローラーでテーブルを移動させるだけ・・・優れものデス・・ヽ(^。^)ノ
いくら刃物のオフセットを測定したり設定しても切削時のZ値をきちっと合わせない事には良い加工にはなりませんね。

そこで、これも自作の[Z値ゲージ]でZ軸の高さを調整します。
私の場合、標準値は 20.0mmに通常決めています。


ATCや主軸サーボの電源を確認してあとはCNCコントローラーの[STRT]ボタンをONで切削開始です。


ハラハラ・・・(^_^;)   ドキドキ・・・(@_@;)

  いよいよ世紀の一瞬(?)のスタートです。

    予定では約7分〜9分のドラマのスタートです。

           
  (^_^;)
[ 切削・・・GO ! ]
実際の切削中の動画は下記の[YouTube]でご覧下さい

何の意味も無いのですが、この動画も5☆・・・って言うかぁ〜・・日付が入った公証的証明として・・・(^_^;)

[ 切 削 完 了 ]

見事・(・?・・見事な)・切削完了です。

2回のツールチェンジも無事に動作しましたね。


自分で言うのも、なんですが・・・・・

       見事な仕上がり  ヽ(^。^)ノ


左最下段は別のケミカルウッドで切削して台座を削り落とした物です。


ただ、まぁ〜仕上がりは・・・どうでも良くて・・・・・
大事なのは・・・[マシニングセンタ]としての動作ですね。


  
はぁ〜い、それも・・完璧です

          
ヽ(^。^)ノ

 
正直なところ『我ながら・・・凄い !』


『よぉ〜 ! 趣味の自作マシニングセンタ 日本初 ! 』


  暫く・・・自画自賛の嵐デス (^_^;)

【 完 成 】

これで今回の【特集】[マシニングセンタを作ろう]も実機の完成をもって無事完結する事ができました。

私の知りえる限り、趣味のアマチュア機械加工において平成22年9月20日・本日現在、
日本初の[自作マシニングセンタ]の完成です。

機械の完成度・・・と・・言うより素人でも、このようなマシニングセンタを作れるんだ・・・と・言う事に意義があると思っています。

ただ、まだまだ稚拙な分部もありますが私の様な素人が作った機械ですから、ここまで完成すれば及第点と自分を褒めています。

また、昨今CNC愛好者が増える一方で既に構築されている機械は在来の装置からの脱却がなかなか難しいのが現状のようです。

そこで今回の【特集】により同門の士(同じ趣味を持たれている方々)の技術向上に一石を投じれればと思い出筆いたしました。

      ぜひ今回の【特集】が皆様のご参考になれば幸いと存じます。